数字が語る医療の真実

農学部教授の「オリザニン」発見を無視した日本の医学者

 しかし、またしてもオリザニンはかっけの治療に使われません。鈴木は医者でなく化学者であったため、学会で医者に向けて臨床試験を行ってくださいと呼びかけます。これに対する当時の医者たちの反応は冷淡でした。相変わらず東大グループは細菌説を唱え続け、ニワトリの病気と人のかっけが同じ病気であるとは考えませんでした。

 オリザニンの臨床試験が行われ、その効果が確認されるのは1919年の京都大学教授の島薗順次郎の発表を待たねばなりません。7年もの間、オリザニン精製の業績は放置され続けるのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。