しかし、またしてもオリザニンはかっけの治療に使われません。鈴木は医者でなく化学者であったため、学会で医者に向けて臨床試験を行ってくださいと呼びかけます。これに対する当時の医者たちの反応は冷淡でした。相変わらず東大グループは細菌説を唱え続け、ニワトリの病気と人のかっけが同じ病気であるとは考えませんでした。
オリザニンの臨床試験が行われ、その効果が確認されるのは1919年の京都大学教授の島薗順次郎の発表を待たねばなりません。7年もの間、オリザニン精製の業績は放置され続けるのです。
数字が語る医療の真実