独白 愉快な“病人”たち

6年前にくも膜下出血 神足裕司さんは「書く」が存在理由

コラムニストの神足裕司さんと奥様(C)日刊ゲンダイ

 水頭症の手術も受けまして、額の皮膚の下に管が見えます。今でも頭から出る余分な水は、体の中を通って穴をあけた胃に流し続けているらしいです。

■思いついたことは何でも書き留める

 急性期の大学病院と回復期のリハビリ病院を合わせて、病院で生かされている時期が約1年続きました。国が定めた回復期病院入院の上限180日の後は、人づてに聞いた高次脳機能障害のリハビリを重点的にやっている慈恵医大の病院へ3カ月入院しました。

 回復期の入院で一番の収穫は、「クチュクチュペッ」ができるようになったことです。ボクは例のごとく覚えていませんが、水を口に入れても飲むこともできなければ、吐き出すこともできませんでした。出すとなると、ダラァ~ッと垂らす感じだったのです。だから「ペッ」は3カ月間、毎日、土日も元日もなくリハビリの先生が来て練習を続けてくれたたまものなんです。「やればできるようになるんだ」と家族は感動していました。

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