独白 愉快な“病人”たち

6年前にくも膜下出血 神足裕司さんは「書く」が存在理由

コラムニストの神足裕司さんと奥様(C)日刊ゲンダイ

 今のボクにとって「書くことは生きること」です。生きる意味であり、存在理由といっても過言ではありません。家族や周囲に迷惑をかけていますが、書くことがギリギリの生きている証し。自分の筆で家族を養いたいのです。

 病気になって人の優しさを実感しました。高齢者や障害者の不便や考えていることも少しわかりました。だから“今の自分でもまだ何かできることがあるはず”。せっかくこういう体になったのだから、こういう体でしかできない体験をたくさんしたいと思います。

 ちなみに、今日はこれからしゃぶしゃぶを食べにいきます(笑い)。

▽こうたり・ゆうじ 1957年、広島県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。在学中からフリーライターとして活躍し、西原理恵子氏との共著グルメリポート漫画「恨ミシュラン」がベストセラーになる。テレビ、ラジオにも多数出演していた絶頂期にくも膜下出血で倒れるが、奇跡的に復活し、現在、月に約10本の原稿を執筆している。著書に「一度、死んでみましたが」(集英社)などがある。

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