しかし、医療情報がテレビ、情報誌、インターネットと日常生活の場にあふれるようになりました。21世紀に入ってからは、患者が自分の病気を知り、医療行為、治療方法を自分で選択する。そして、より専門的な医療、先端医療を求め、医師、医療機関を自由に選択することが当然のようになってきました。
つまり、患者の基本的な権利として、①個人の尊厳、平等、最善の医療②医療内容を知る権利③自己決定権④検証権(セカンドオピニオン、診療記録の閲覧)⑤秘密保持などが叫ばれるようになったのです。
病気で苦しむのは患者自身であることから、患者自身の権利として「インフォームドコンセント」「真実を知る」「がんであることの告知」は、ここで当然のこととなってきました。また、かつての「がんであることを告げるか告げないか」の議論から、「いかに真実を伝え、患者をどう援助していくか=告知後に患者をどう支えるか」の議論に変わっていきます。
がんと向き合い生きていく