医師に対しては、「告知はひとつの重要な医療行為であると認識することが大切。悪い知らせを伝えることの重圧感に負け、つい楽観的な見通しを伝えて不信感を生むことがある」と指導されるようになりました。そして、「『がんの告知は本人と同時に家族に説明することを原則』とし、先に家族に説明しないこと」(がん診療レジデントマニュアル=医学書院)となってきました。さらに、2005年4月から個人情報保護法が施行され、「病状は本人に話す。家族に話す時は本人の了解が必要である」とまで進んだのです。
今でも、がんであることを先に家族に話し、本人にどう話すかを家族と相談する医師もいらっしゃるようですが、だんだんと先に患者本人に真実を話す医師が増えていきます。患者自身の病気、患者自身の人生と考えれば本人が真実を知らないことはあり得ないという考え方が一般的になってきたのです。
がんと向き合い生きていく