クスリと正しく付き合う

いくつも服用している降圧剤の種類を減らす方法

 症状が改善すれば、薬の種類が減ることもあります。だからこそ、症状の把握のために血圧を日頃から自己測定しておくのが大切なのです。家庭血圧を医師に伝えることで血圧コントロールがしやすくなり、必要なくなった薬を飲まなくてよくなるかもしれません。そのためにも血圧手帳をつけるのもお勧めです。

 ただし症状が改善したからといって、自己判断でいずれかの薬をやめるというのは大変危険です。それぞれ作用機序の違う薬なので、やめても問題ないかどうかは医師や薬剤師に相談し、理解を得た上でやめなければなりません。医師はガイドラインをもとにきちんと考えて処方をしています。「どれか1種類でよいだろう」と勝手に判断してやめてはいけません。

「服用する薬の数が多過ぎて、見ているだけで飲みたくなくなる」「とにかく種類を減らしたい」という患者さんもたくさんいらっしゃいます。そういった方には2~3種類の薬が1つになった合剤もありますので、医師や薬剤師に相談してみてください。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。