くしゃみでちょい漏れ…腹圧性尿失禁の治療に変化あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「尿道過可動がそれほどではなく、尿道括約筋不全がメーンの人には、TVT手術の方が治療成績が良い。だから、こういった患者さんにはTVT手術を、それ以外の人にはTOT手術を行うようになったのです」

■若い人、スポーツ経験者にはTVT手術

 しかし、最近台頭してきた考えは、「すべての腹圧性尿失禁に、TVT手術が向いているのではないか」。なぜなら、海外の研究発表で、TOT手術の方が術後何年か経ってから追加の手術治療を必要とした人が多かったという統計結果があるからだ。

「『追加手術が必要』というのはつまり、再発を意味します」

 TOT手術よりTVT手術の方が良い、とはっきりとした結論が出たわけではない。最も大きなネックになっているのは、TVT手術には合併症のリスクがあることだ。腸管損傷などを起こせばせっかく入れたテープを取り除かなければならないだけでなく、最悪の場合、人工肛門で半年ほど生活しなければならなくなる。めったにないこととはいえ、良性の疾患でこの合併症は決して軽視できない。

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