受診までの「応急処置」

“カーテン”が下りてきたら…アイマスクで安静にして寝る

目の異変を放っておくと大変なことに(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 患者が片側の目に「カーテンが下りてきたように見える」と訴える症状がある。それも「黒いカーテン」もあれば「赤いカーテン」もある。目に何が起きているのか。「おはらざわ眼科」(東京都北区)の小原澤英彰院長が言う。

「赤いカーテンであれば『硝子体出血』、黒いカーテンであれば『網膜剥離』や『一過性黒内障』が疑われます。数分から数十分くらいで症状が消え、元のように見えるようになるなら一過性黒内障の可能性が高いでしょう。いずれにしても体を激しく動かさないように注意して、早めに受診してください」

 眼球の内部はゼリー状物質の硝子体が詰まっていて、球形を保っている。硝子体出血は、主に硝子体を包んでいる網膜からの出血が硝子体に入り込むのが原因。赤っぽく見えるのは血の色で、出血量が多ければ片目が見えなくなるという。

 一方、網膜剥離は網膜に穴が開いてはがれてしまう病態。網膜には光に反応する視細胞がビッシリ並んでいるので、はがれると光を感じなくなり部分的に黒く見えなくなる。カーテンが下りるだけでなく、網膜がはがれる場所によって、黒い影が下からせり上がる、左右の横からカーテンが引かれるように見えなくなることもあるという。

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