Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

治療の仕事の両立<3> 治療法に迷ったら放射線医に聞く

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「がん対策に関する世論調査」では、治療と仕事の両立が難しい理由として約22%が「職場が休みを許すか分からない」を挙げています。入院を伴わない治療を選択することは重要です。

 私が支援する都内の病院は、午後10時まで放射線治療が可能。治療後に一杯飲んで帰る方は珍しくありません。抗がん剤治療も同様で、通院で受けられたり、週末に抗がん剤治療を実施するクリニックもあったりするのです。

 治療法や病院を吟味すれば、両立が難しいという現状でも、決して無理ではありません。そのためには、放射線科医にセカンドオピニオンを求めるといいでしょう。放射線科は血液のがん以外、すべてのがんの治療に当たる“がんのエキスパート”で、すべてのがんのすべての治療に精通していますが、外科医がカバーするのは診療科のがんだけですから。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。