クスリと正しく付き合う

降圧剤は作用が異なる4種類を使い分けて処方される

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

②レニン―アンジオテンシン系阻害薬には、「ARB阻害薬」と「ACE阻害薬」と呼ばれる2種類がありますが、共にアンジオテンシンⅡという血管収縮作用のある物質の働きを抑えることによって血管を広げ、血圧を下げます。心臓病や腎機能が悪い患者に積極的に使われ、CCBとの併用の相性も良いとされています。

③利尿薬は、尿の量を増やすことで体液量を減らし、血圧を下げます。利尿薬もたくさんの種類がありますが、減塩が進まない人やむくみがひどい人、腎臓が悪い人、血糖値が高い人によく使われます。CCBやRAS阻害薬と併用されることも多い薬です。

④β遮断薬は、心臓から押し出す血液量を下げることによって血圧を下げますが、他の3種類と比べると積極的に使われていないのが現状です。

 簡単に説明しましたが、「血管の収縮」と「体液の量」が高血圧治療の作用点となります。すでに降圧剤を飲んでいる人は自分はどんな作用がある薬を飲んでいるのかを確認しておくのもいいでしょう。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。