決算書でわかる有名病院のフトコロ事情

聖路加国際病院の医療経費 材料費は前年度比8億6100万円増

昨年は労働基準監督署の立ち入り調査が(C)日刊ゲンダイ

 高い収益力(343億円)を誇る聖路加国際病院。医療経費はどうなっているのでしょうか。法人の決算書から関連項目を抜き出して<表>にしました。

 人件費を除く経費は、総額173億円あまり。医療収入の実に50%以上を占めています。一般病院の全国平均が約43%ですから、聖路加の諸経費はかなり高めです。法人の事業報告書によれば、材料費は「高額医薬品の増加や手術件数増加に伴い」前年度比で8億6100万円増加。高額医療機器の購入やリースなども増えたため、減価償却費と設備関係費も増えたとか。

 ただ患者にとっては、それだけ最先端の充実した医療を受けられるのですから、むしろ歓迎すべきことでしょう。

■手術件数と高額医薬品が増えた

 事業報告書によれば、法人全体の教職員が2042人、そのうち教員が67人となっています。それを除いた1975人の大半が、病院側職員と考えられます。内訳は医師413人、看護師904人、薬剤師44人、コメディカル291人、事務266人などです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。