初の診断キット発売 「潰瘍性大腸炎」治療の何が変わる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「内視鏡検査は多くてもせいぜい1年に1、2回程度ですが、試薬キットなら1年に数回行え、簡便に評価できます。積極的に薬の減量を検討できるかもしれません」

 試薬キットでは炎症の悪化も確認でき、薬の飲み忘れをチェックしたり、薬の増量を検討するのにも役立つ。

■痛みなく精度は従来検査に劣らない

②診断が簡単になる

 潰瘍性大腸炎の症状は、繰り返して起こる下痢や血便。慢性の下痢や血便はほかの病気でも見られることがあり、特に下痢だけの場合は、過敏性腸症候群(IBS)が原因の多くを占める。

「カルプロテクチン濃度を見れば、下痢や血便が炎症によるものか否かがわかります。IBSなら炎症は認めません。最初に試薬キットを用いることで、内視鏡検査が必要な人と不要な人に分けられると思います」

3 / 4 ページ

関連記事