寝ると左右に流れる人は要注意 “カエル腹”に潜む重大病

単なる食べ過ぎではない場合も(C)日刊ゲンダイ

 お腹がぽっこり出て息苦しくなり、胃が圧迫されて食欲が落ちることもある。

「しかし、腹水がたまるのはがんに限りません。むしろ、田中さんのような肝硬変のケースも多いのです」

 肝硬変とはお酒の飲み過ぎやウイルス感染などにより、肝臓に慢性肝炎が起こり、肝臓の組織が硬くなって肝機能が失われる病気。肝硬変になると肝臓でつくられ、血液中の物質移動や体液濃度の調整をするアルブミンが減少。血管から水分が流れ出て腹水がたまりやすくなる。

「肝硬変を放っておくと、本来なら肝臓で無毒化されるアンモニアなども血管を通して脳に運ばれ、肝性昏睡という意識障害を引き起こします。また胃や食道の血液は門脈という場所に集められ、肝臓を通じて心臓に戻っていきます。肝硬変で血液が肝臓にスムーズに流れなくなると、門脈圧が高くなり、胃や食道の静脈に血液が逆流。胃や食道に静脈瘤ができます。それが破裂すると吐血や下血します」

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