決算書でわかる有名病院のフトコロ事情

私立医科大学の全収入に占める学生納付金の比率は数%

附属病院こそ収益の柱(左は東京慈恵会医科大学の大学1号館)/(C)日刊ゲンダイ

 私立の医科大学にとって、優秀な学生を獲得することは、付属病院の未来のスタッフを確保するのとほとんど同じ意味を持っているのです。人材さえ確保できれば、医療で稼ぎ続けることができます。長い目で見ればそちらのほうが儲かりますから、学費値下げはいわば先行投資のようなものなのです。

3 / 3 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。