ガガも患う「線維筋痛症」 病歴60年の女性が激痛を語る

 活動休止を宣言していたレディー・ガガ(31)がツイッターで、全身に激しい痛みを起こす「線維筋痛症」を患っていることを告白し、話題になっている。

 症状は、関節や筋肉、内臓と、体のあらゆる部位に痛みが生じるもので、倦怠感や不眠を伴うこともある。日本リウマチ財団のホームページによると、日本では人口の2%に当たる約200万人が患っているといい、7割は女性だ。明確な原因は不明だが、ケガや病気など肉体的ストレスや、心理的ストレスが引き金になるとみられている。

■痛みが体中を“移動”する

 約60年間も症状に悩まされている橋本裕子氏(63=線維筋痛症友の会代表)はこう言う。

「症状の特徴は、痛みが移動することです。最初は頭が痛かったのに、1時間後にはお腹の痛みに変わり、さらに1時間後は足の裏が痛むといった具合です。痛みは、頭なら締めつけられる感覚で、内臓ならお腹がよじれるような激痛。足の裏がチクチクと痛み、靴が履けないこともあります」

 橋本氏は3歳のころから体の調子が悪くなることが多く、高校に進学してから症状が酷くなり、病院で診察を受けた。しかし、当時ははっきりと診断が出なかったという。

「線維筋痛症は、脳が『痛み』という情報を誤って処理してしまう病気です。例えば、指で手の甲を押された程度のわずかな刺激でも、患者には強い痛みに感じられてしまう。痛む部位には実際には異常がないので、普通の検査では、なかなか判明しないのです」(橋本氏)

 恐ろしいのは、誰でもかかる可能性があるということだ。

「例えば、一日中パソコンで作業するような仕事だと、徐々に首に痛みを感じるようになりますよね。それが肩や腰に広がり、頭痛も伴うようになる。そんな状況で無理を続けていると、結果的に線維筋痛症にかかってしまうこともあります。原因はストレスや過労です。生活を改善するくらいしか、有効な予防法はないでしょう」(橋本氏)

 根治療法はなく、薬で症状を軽減するしかないという。やっぱり過度のストレスは万病のもとだ。

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