Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

画期的治療が臨床研究へ 最初から薬物療法で乳がんが消えるタイプ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今後は、事前の検査でHSD17B4遺伝子を調べて、このタイプと判明したら、まず薬物療法を行うことになります。さらに乳房内の再発を抑えるため、放射線治療をプラス。“手術ありき”だったことを考えると、この治療選択は大きな一歩。患者さんの肉体的、精神的な負担もグンと減ります。

 これからは薬物療法で消えないタイプに対し、放射線のピンポイント照射で手術をしないという戦略も検討される時代になってきたと思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。