「こうした傾向の理由のひとつに運動不足が挙げられます。高山市は1、2月の平均気温が氷点下になる場所です。他の報告も同じように気候の厳しいところで行われていることから、夏は体を動かせるのに冬は寒くて運動不足になるのが原因ではないかと考えられているのです」
冬はクリスマスやお正月などのイベントも多い。その際の過食もその理由のひとつという説もある。
「ならば、その時期に節制すればよいと考える人もいるかもしれません。しかし、HbA1cに対する食事の影響は1カ月前が50%、2カ月前は40%、3カ月前は10%程度に過ぎません。お正月やクリスマスの過食の影響だけが3月のHbA1cの高さの理由にはなりません」
実はアラスカからフロリダまでを含めた米国の退役軍人を2年間追跡した結果でもHbA1cは冬から春に高く、夏から秋にかけて低いことが分かっている。