■無給教員の多くは医学博士を目指す大学院生医師
無給教員は医学部特有の制度です。国公私立を問わず、全国の全ての医学部で取り入れられています。医局のボス教授が配下の若手を関連病院に送り込み、実質的に支配していた時代には、手元の無給教員の人数がそのまま政治力に直結していました。また若手医師たちも、医局に属していない限り、いい病院に就職できないといわれていました。
しかしそういうことは、すっかり廃れています。いまの時代は、むしろ好んで無給教員をやっている若手が多いと聞きます。大学は居心地がいいし、付属病院の収入だけでも十分に生活費を稼げるから、という理由でしょうか。
臨床研修医は1年目が105人、2年目が95人。4つの付属病院の合計人数です。臨床研修医は法令によりアルバイトを禁止されていますが、大学からの収入は保証されています。
最も人件費が高い女子医大 医療経費は聖マリアンナが高い
- 2017年09月21日
関東以外の私立医科大学 付属病院数は関東の半分
- 2017年09月26日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。