それは、腰痛外来患者320人を対象に「質問票」「X線写真」「整形外科医による身体診察」「神経学的検査」「痛みがある箇所に局所麻酔を注射し痛みが取れるかどうかで痛みの原因を探る診断的ブロック」などあらゆる検査法を駆使して、腰痛の原因を突き止めたもの。結果は、原因不明の非特異的腰痛が22%、原因を特定できる腰痛が78%。つまり、「原因が“明らかな”腰痛が8割」だったのだ。
「この研究では、心理的要因(ストレス)だけから起こる腰痛がごく少数であることも明らかになりました。腰痛が長引くことで、心理的要因が加わるのです」
同様の結果は、別の研究グループの結果でも出ている。これら研究結果を踏まえた、腰痛治療のポイントは次のものだ。
■3大危険兆候を見逃さない
腰痛は「危険な腰痛(1%)」「神経症状を伴う腰痛(20%)」「深刻な原因のない腰痛(80%=非特異的腰痛を含む)」の3つに大きく分類される。