その晩、Zさんは眠れず、翌日、治療を受けている病院の相談室に電話をかけました。担当者からは「決してあなたを怒ったのではないと思います。病気がそう言わせたと思ってください」とアドバイスされたそうです。
患者本人の苦しみ、悩みはもちろんですが、一緒に病気と闘う家族の悩みも大変です。以前、精神科医が「家族ケア外来」を行ってくれたこともありました。患者と暮らしている家族のための相談外来です。悩みの多い家族にとっては、とてもありがたいことでした。相談に来られた家族で、うつ病と診断された方もいらっしゃいました。しかし、現実には人員の確保など、家族ケア外来を維持するのは病院としてはとても難しいようです。
■相談支援センターは家族の悩みも聞いてくれる
こころのケアは患者本人だけでなく、一緒に暮らす家族にも必要です。臨床心理士の方が中心となって「こころの相談室」を行っている病院もあります。多くは患者本人が相談に来られているようですが、家族が直接相談に行くのも方法です。
がんと向き合い生きていく