がん拠点病院では「がん相談支援センター」が設置されています。がん拠点病院ではない他の病院にかかっている患者でも、その家族でも相談に乗ってくれます。セカンドオピニオンとして訪れた患者の家族は、「夫が治療したくないと言い出した。家族はどう対応すればいいのか教えて欲しい」「義姉から民間療法を勧められて困っている」「夫の食欲が落ちてきた。同時に自分の食欲もなくなった」「子供にどう伝えればよいか」「自分がしっかりしなければ……」「自分は健康なのだから、自分のツラさを本人に訴えてはならない」など、たくさんの悩みを話されます。
中には、長い間我慢し続けて、健康を損ねてしまう家族もいらっしゃいます。最近のがん医療は外来治療が主体となっていることから、一緒に暮らす家族の心の負担が大きくなっているのです。
われわれ医師は、患者本人にばかり気がいって、家族の方にまで及ばないことも多々あります。ぜひ、患者家族を対象としたさまざまなケアを活用してください。
がんと向き合い生きていく