クスリと正しく付き合う

【コレステロール降下薬】効き目は穏やかながら副作用が少ないものも

自覚症状がない疾患(C)日刊ゲンダイ

 脂質異常症(高脂血症)には、①高LDLコレステロール血症②高トリグリセリド(TG)血症③低HDLコレステロール血症――があります。一般的には、①や②に対してLDLやTGを下げるための投薬治療をしている患者さんが多いと思います。

 脂質異常症は動脈硬化の原因となり、心血管疾患のリスクをアップさせるため予防が重要です。しかし、自覚症状がない疾患だけに治療や服薬に積極的になれない(怠けがちになる)患者さんが多い疾患でもあります。

 治療薬は、主に①「LDLやTGの合成を抑えるもの」②「分解を促進するもの」③「吸収を抑えるもの」――の3種類に分類でき、さらに細かく作用機序によって7種類に分けることができます。

 それぞれ目的に応じて選択されますが、強力に数値を下げる必要がある場合には、LDLの合成を阻害する「スタチン系」と呼ばれるHMG―CoA還元酵素阻害薬や、「フィブラート系」と呼ばれるTGの合成を阻害する薬が用いられます。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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