眼科で異常なしの目の不快感は「心療眼科」で改善する

眼球以外の異常も(C)日刊ゲンダイ

「脳に入る情報の9割近くは視覚を介しており、目や視覚の不調は日々の生活にダイレクトに影響を与えます。その状態が長く続けば心の病にもつながります。ところがこれまで、眼科も精神科も心療内科もそういった症状の方々に十分に対応できていなかった。だから、心療眼科を立ち上げたのです」

 脳の状態をはじめ、必要と考えられるさまざまな検査を行う。薬物の副作用で起こっている不調もあるので、服用薬の確認も外せない。問題点を突き止めることが重要だ。

「治療の手だてがないケースも少なくありません。ただ、患者さんがすべからくおっしゃるのが『原因がわかってよかった』ということです。なぜその症状が生じているかわかるだけで、精神症状が軽減することは珍しくありません」

 前述の②を例に挙げると、もし手術後に何らかの合併症が生じれば打つ手もある。しかし、手術は成功しているのに、手術前に本人がイメージしていた「見え方」にならないことはままある。「手術が失敗したのでは」といった医師への不信感から精神症状が生じる。その患者の当初の期待と現実の乖離を埋めることも心療眼科の役割だ。

 心療眼科は全国いくつかの医療機関で設けている。心療眼科研究会のホームページが参考になる。
※井上眼科病院の場合は予約制。健康保険適用だが、予約料がかかる

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