愉快な“病人”たち

「おはよう」言えず 青木美保は発声障害から復帰に10年

活動休止中は酒屋さんでアルバイトも経験(C)日刊ゲンダイ

 食べるために酒屋さんでアルバイトを始めてから1年が経過するころには、「もう歌わなくても生きていけるわ」と考えるようになりました。お店には青木美保を知ってくれている人もチラチラ現れて、2つあるレジの私のほうだけに列ができるということもありました。

 復帰のOKが出たのはその翌年です。“もう歌わなくても生きていける”と考えるようになったことで、気が楽になったのでしょうか。以前のように楽に、発声することを意識せずに声が出せるようになったんです。

 “たかが声が出ないくらい大したことない”と思う人もいるかもしれません。でも、どんな心身の機能でも失ってみないと、その苦しさは分かりません。ひとつ失うことで心が病んで、どんどん悪循環にはまっていく……。そんな経験をしたからこそ、「健康が一番」と思うようになりました。

 ストレスをためないように「多少太ってもいいか」と思ったり、腹が立つ出来事があっても、いい方向に考えることにしました。たとえば「歌えない10年間があったけれど、その分、喉を使っていなかったから、私の声帯は10年若い。10年長く歌える」って。

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