大阪医科薬科大学は、昨日も書いたとおり、大阪医大と大阪薬科大の合併に伴い、274億円もの特別収入を計上、実質的な黒字幅は30億円前後と思われます。16年3月、付属病院に手術棟(手術室20室、ICU16床など)を新設するなど病院機能の強化に余念がありません。合併効果も寄与するため、安定した経営が期待できます。
安定という点では関西医大がピカ一かもしれません。3つの付属病院はいずれも好調。総収入の実に88%を稼ぎ出しています。現在は医学部のみの単科大学ですが、来年度から看護学科を開設する予定。付属病院の看護師を自前で養成できるようになれば、経営は盤石でしょう。
兵庫医大の黒字幅は小さいものの、この1年間で長期借入金や、その他の負債を約50億円も減らすことに成功しました。また同一法人傘下にある兵庫医療大学(ポートアイランド、薬学・看護・リハビリの3学部4学科)との連携を生かした経営を進めています。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。