このがんは、飲酒と喫煙の影響が強いと書きましたが、喫煙は治療効果を左右することも分かっています。放射線治療中に喫煙している人は、していない人に比べて、治癒率が低いのです。もし喫煙している人が咽頭がんになったら、せめて放射線治療を受ける前までに禁煙することが一番です。
咽頭がんの中でも、中咽頭がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の関与が指摘されています。女性の子宮頚がんを引き起こすウイルスです。オーラルセックスなどで、HPVが喉に感染すると、咽頭がんの発症リスクが高まり、咽頭がん全体の20%はこのタイプとみられます。しかし、HPVによるタイプは治りやすいのが特徴。声がかすれたり、飲み下しに違和感があったりしたら、すぐ耳鼻科を受診するのが肝心です。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁