53%は交際経験ナシ 20代EDの原因は心因性だけじゃない

ストレス社会…(写真はイメージ)
ストレス社会…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 20代男性の53.3%が交際経験ナシ――明治安田生活福祉研究所が昨年調査した結果だ。そんな現実を象徴するように、童貞の成人男性を描くドラマ「オトナ高校」が10月14日から始まる。「キモっ」と思いながら、東京・新宿で20代の女性に話を聞くと、「新しい彼としようとしたら、立たなくて……」といったボヤキが何度となく聞かれた。経験不足による緊張からか、元気モリモリのはずの20代がEDになるケースも少なくないらしい。

 ED治療専門の渋谷三丁目クリニック・古市昌之院長が言う。

「患者さんのうち、15%ほどが20代です。中高年は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病のほか、長年の喫煙などの影響でEDになるケースが一般的ですが、20代はほとんどが心因性。その原因は、初めてのセックスに伴う緊張のほか、セックスへの罪悪感や嫌悪感が関係していることもあります」

 治療は、バイアグラなどED治療薬の服薬が基本。ジェネリックの登場で薬の値段が下がり、受診者は増加傾向だという。お守り代わりに余分に持っていれば、精神的な余裕が生まれ、うまくいくことも。そうやって何度か成功すれば、薬は不要になるという。

■過重労働も増加の原因に

 20代のEDが増えている背景には、社会的な事情もあるそうだ。

「ストレス社会の今、心療内科や精神科にかかる若者が増えています。その結果、抗うつ薬などの薬の影響で勃起不全を起こすことがあるのです」

 厚生労働省によると、うつ病などの精神障害による労災認定件数は、昨年が過去最多を記録。過重労働が、20代のEDを増やす原因にもなっているという。

「薬の影響では、男性型脱毛治療薬もあります。男性ホルモンのひとつ、ジヒドロテストステロンの産生が抑えられるため、その影響で性機能が障害されることがあるのです。20代で脱毛治療薬を飲む方は少なくありませんから」

 気になる人は、医師に相談することだ。