この死亡率 なぜあの県に多い?

【糖尿病】女性強い鳥取県 男性はストレスから飽食に走る

蓮佛美沙子もストレスが少ない?
蓮佛美沙子もストレスが少ない?(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病が疑われる患者数は2016年に初めて、推計1000万人を超えたという。全国の糖尿病による死亡率は男性は鳥取県が1位、2位は青森県だ。糖尿病患者の9割以上が食生活を中心とした生活習慣に原因があるというが、確かに鳥取市の全国消費ランキングをみると糖分、塩分、脂質分の摂取量が高い。直近3年間の平均で、1位に即席麺、練り物(ちくわ)、牛乳、粉ミルク、卵、マヨネーズ(マヨネーズ風調味料)、カレールー、まんじゅうが挙がっている。

 謎なのは死亡率が高いのが男性だけということ。女性の糖尿病死亡率は全国34位、ちなみに青森は女性も2位だった。本来、同じ食生活をしている夫婦は、共に糖尿病になりそうなものだが――。長浜バイオ大学教授の永田宏氏(医療情報学)も首をかしげる。

「男性の糖尿病は、もともと極端に多かったというわけではなく、本当に最近です。もしかすると、県が糖尿病予防の対策を打ち出したのに失敗したということがあったのかもしれません。女性が34位といっても、15位とか20位とかと比べても大きな違いがあるわけではないので、全国平均並みということ。男性だけが突出して高いという結果になっています」

糖尿病死亡率の表
糖尿病死亡率の表(C)日刊ゲンダイ
青森県に似て医者嫌いの傾向も

 辛抱強さも原因か。鳥取県民のブログをいくつか見てみると、「みんな糖尿病と言われても医者に行かない」と書いていたりする。

「青森県民の医者嫌いは有名で、みなさん我慢強いから病院に行かないといわれますが、鳥取県もそうした傾向があるのかもしれません」(永田氏)

 県民性に詳しいナンバーワン戦略研究所の矢野新一所長も「鳥取県に多い『因幡の国』の出身の男性は、内向的、保守的で辛抱強い。一方の女性は明るくて行動的、ストレスが少ない。男性は我慢してしまうことが多いかもしれません。また、厚労省の調査で、男性の飲酒習慣者の割合が全国2位。ストレスで、塩分の強いつまみを食べながら、休肝日なく飲んでしまう。そういう“性質”も影響しているのではないか」と言う。

 だまって女性のいいなりに食べていたら、体調を崩していたなんてこともあるのかもしれない。

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