独白 愉快な“病人”たち

4回目の手術前に遺書 仁科亜季子が振り返る壮絶がん治療

「孫が成人するまでは元気でいたい」と語る/(C)日刊ゲンダイ

 その後で受けた手術は8時間に及び、その時の輸血によって「C型肝炎」のキャリアーになってしまいました。放射線治療は30回以上と長く、皮膚がやけどのように剥がれてきたり、だんだん体力が落ちて車椅子移動になったり……。周りの患者さんが亡くなるのを日々感じて、精神的にも追い込まれました。それでも、子供たちがいたから耐えられたんだと思います。

 いろいろありましたが、今は孫の成長が楽しみです。孫が成人するまでは元気でいたいと思っています。ストレッチやボイストレーニングに通い、去年は歯の矯正もしました。一生、自分の歯で食べ、自分の足で歩くのが目標です。

▽にしな・あきこ 1953年、東京都生まれ。72年にNHKのドラマ「白鳥の歌なんか聞えない」で女優デビュー。TBS系「人間の歌」シリーズなどで清純派女優として活躍した。79年から活動を休止していたが、99年に復帰。女優業のほか、バラエティー番組での出演や、がん治療に関する講演も行っている。現在、NHKドラマ10「この声をきみに My voice for you」に出演中。

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