正しい運動で健康寿命を延ばす

【腰痛対策】腰椎を支える腹、股関節、尻の筋肉を鍛える

「プランク」のスタートポジション
「プランク」のスタートポジション(提供写真)

 腰痛は筋トレで予防できる。しかし、中には内臓由来の腰痛や椎間板ヘルニアなどもあるので、医師の診断を仰いでから筋トレに臨むようにすることが大切だ。

「腰痛を生む主な原因は、腹部周辺の筋力不足と骨盤の不安定。腹部周辺には腰椎以外に骨がないため、腹部の筋力が衰えると腰椎に負担がかかります。鍛えるべきは『コアマッスル』と呼ばれる腹横筋と腹斜筋。さらに腰椎を支える骨盤周辺の腸腰筋と大臀筋です」

◆プランク(腹横筋強化)

 腹横筋は腹筋群の中で最も内臓に近い深層筋のひとつで、コルセットのように横方向に走っている。

(1)スタートポジションは、両肘と両ももを床につけた腹ばいの姿勢。肘は肩の真下で立てるイメージで、肘を90度程度に曲げて安定させ、膝は上に曲げる。(2)ゆっくりと腰を持ち上げ、頭から膝までが一直線になったところで30秒キープ。1日2回が基本。肛門を軽く締めると腹横筋を意識しやすくなる。NGなのはお尻が突き出て、肘が肩より前に出る姿勢。腹横筋強化にならないので要注意。

「ツイスティングクランチ ウイズ チェア」のスタートポジション
「ツイスティングクランチ ウイズ チェア」のスタートポジション(提供写真)
◆ツイスティングクランチ ウイズ チェア(腹斜筋強化)

 腹斜筋は脇腹を斜めに走る筋肉。

(1)スタートポジションは、あおむけに寝て両足を椅子の座面に乗せ、片手を頭の後ろに添えた状態。(2)息を吐きながら、頭に添えた手の側の肩が上がるように上体をひねって4秒かけて斜めに起こし、4秒かけてゆっくり①に戻って1回。左右交互に20回×2セットが基本。

◆ニーアップ&ヒップエクステンション(腸腰筋・大臀筋強化)

 股関節の深層筋とお尻の筋肉。

(1)スタートポジションは、壁に両肘をつけて立ち、片足を後ろに上げた状態。反り腰にならないよう軸足と壁の距離を少し取る。(2)上げた足を4秒かけてゆっくり前に移動させながら膝を曲げて胸に近づけるイメージで持ち上げる。4秒かけて①に戻して1回。左右交互に20回×2セットが基本。

 次回は、今回紹介した腰痛対策トレーニングの後に行うストレッチを紹介する。

中野 ジェームズ修一

中野 ジェームズ修一

1971年、長野県生まれ。多くのアスリートから支持を受けているPTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。株式会社スポーツモチベーション最高技術責任者。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝連覇を支えるなど、アスリートから絶大な信頼を寄せられている。「100トレ 医師とトレーナーが考えた100年時代の新健康体操」(徳間書店)が発売中。

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