体内の“炎症”を抑えれば重大病リスク減? 欧州学会で報告

医療に革命が起こるのか?(C)日刊ゲンダイ

「今回の研究結果はこれを裏付けるものです。実は、5年ほど前にも痛風治療に使われる『コルヒチン』と呼ばれる炎症予防の薬を1日0.5ミリグラム投与すると、急性心筋梗塞や非塞栓性虚血性脳卒中などのリスクを低下させることが米国心臓病学会誌でも報告されています。コルヒチンはスタチンやアスピリン以上の抗炎症作用があるとされています。今回使われた抗インターロイキン―1βは、それ以上の作用があると言われています」

 インターロイキンとは、リンパ球や単球、マクロファージなどの免疫担当細胞が産生する生物活性物質の総称で、免疫反応に関連する細胞間相互作用を媒介するペプチドタンパク性物質を言う。現在まで30種類以上が確認されていて、炎症反応に深くかかわり「炎症性サイトカイン」と呼ばれる。

「炎症反応は細菌やウイルスなどの感染源除去や外傷の修復過程に必要な生体応答で、サイトカインのネットワークが関与しています」

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