皮膚を科学する

人間は“全身金粉”で長時間過ごすと呼吸困難で死ぬはウソ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 男にしてみれば、女性が毎日顔に塗りたくっている化粧は、「皮膚呼吸」の妨げになって体に悪いのではないのかと思ってしまう。本当のところはどうなのか。「新東京クリニック/美容医療・レーザー治療センター」(千葉県)の瀧川恵美センター長に聞いた。

「そもそも人間は皮膚呼吸をしているというのは間違いです。皮膚呼吸をするのは、ミミズやヒルなど肺を持たない生物。カエルは肺と皮膚の両方で呼吸をしています。皮膚呼吸をする生物は皮膚が薄く、その薄い皮膚を守るために体の表面が常に濡れていないと生きられません」

 皮膚が厚く、体の大きい人間は、必要な酸素はほとんど肺呼吸で取り入れているという。皮膚は空気に触れているので、皮膚のごく表面の細胞は皮膚呼吸をすることは可能だが、取り入れられる酸素量は肺呼吸と比べるとわずか0.6%。それが妨げられても、肺が取り入れた酸素を血液が皮膚へ送っているので何ら問題はないという。

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