皮膚を科学する

人間は“全身金粉”で長時間過ごすと呼吸困難で死ぬはウソ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■ヒトは皮膚呼吸しない

 昔から「全身に金粉を塗ると皮膚呼吸できないので死ぬ」という噂があるが、これはウソ。一説では映画007シリーズ「ゴールドフィンガー」で、女性が金粉を全身に塗られて殺されたことが起源とも言われている。では、ヤケドなどで「皮膚の3分の1以上を失うと生きていけない」というのはなぜなのか。

「皮膚には刺激や有害物質、病原体などから体を守るバリアーの役割があります。また、汗をかいたり毛穴を閉じたりして、体温調節をしています。これらの機能を失うことで、感染症や体温調節ができなくなったりすることにより危険な状態になるのです。皮膚呼吸ができないからではありません」

 それに顔の皮膚は全身からすれば、ごく一部。逆に化粧品には紫外線をカットする成分が入っているので、日常的に化粧することは皮膚がんなどの発生を防ぐことにつながるという。

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