正しい運動で健康寿命を延ばす

【腰痛対策】トレーニング後の筋肉をほぐす静的ストレッチ

写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から
写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から(提供写真)

 今回は、前回鍛えた腹横筋、腹斜筋、腸腰筋、大臀筋をほぐす静的ストレッチを紹介する。

「腰の痛い人でも比較的やりやすいポーズを選びました。前屈すると痛い人、反らすと痛い人、それぞれの痛み方に合わせて選択してください。静的ストレッチは、30秒程度静止した状態で筋肉を伸ばす運動です。柔軟性の維持と向上につながります」

 注意しなければならないのは、決して無理をしないこと。限界を超えるほど強く伸ばすと、脳から筋肉に「縮みなさい」と指令が出て、逆に筋肉が萎縮してしまう場合があります。いわゆる“痛キモチいい”ところでキープするのが大切なポイントだ。

◆腰背部のストレッチ・その1

A…腰椎の伸展(前屈すると腰に違和感のある人)

 うつぶせになり、肩の下に肘がくるようにゆっくり上体を起こす(写真①)。腰を反り過ぎないように注意しながら30秒キープ。

B…腰椎の屈曲(反らすと腰に違和感がある人) あおむけになり、曲げた両膝の裏に手を入れて抱え、そのままゆっくり胸に近づけ30秒キープ(写真②)。腹筋に力を入れず、肘は床につけたまま腰背部を伸ばすことを意識する。

◆腰背部のストレッチ・その2

①あおむけになり、両膝を揃えて90度ほどに曲げて立たせる。②膝を揃えたまま左右どちらかにゆっくり膝を倒し床に近づけて30秒キープ。このとき、両手は広げて脱力し、上体が持ち上がらないことがポイント。左右行う。

◆大臀筋のストレッチ

①椅子に浅く座る。②片方の足首を反対の脚の太ももに乗せ、すねが床と平行になるように軽く膝を押す。③背筋を伸ばしたまま胸を足に近づけるように上体を倒す。お尻の筋肉を伸ばす意識で30秒キープ。左右行う。

◆腸腰筋のストレッチ

①足を大股1歩分前後に開く。②前足の膝を90度に保ちながら後ろ足をさらに下げる。③前足側の手は太ももに、後ろ足側の手は臀部に沿えて腰を前に押し出す。股関節が伸びていることを意識しながらこの状態を30秒キープ。左右行う。

中野 ジェームズ修一

中野 ジェームズ修一

1971年、長野県生まれ。多くのアスリートから支持を受けているPTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。株式会社スポーツモチベーション最高技術責任者。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝連覇を支えるなど、アスリートから絶大な信頼を寄せられている。「100トレ 医師とトレーナーが考えた100年時代の新健康体操」(徳間書店)が発売中。

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