突然死の危険も 「低カリウム血症」を甘く見てはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 東邦大学名誉教授で平成横浜病院の東丸貴信総合健診センター長は言う。

「血液中のカリウム濃度は、3・5~5・0(mEq/L)という非常に狭い範囲で調節されていて、3・5以下に低下すると低カリウム血症になります。これが2・5以下になると、脱力や麻痺などの症状が表れます。細胞組織では、カリウムとナトリウムが出入りすることで細胞膜の興奮を発生させ、神経細胞の情報伝達を行ったり、筋肉を収縮させています。カリウムが不足すると細胞の電気興奮が不安定になり、筋肉細胞の塊である心臓トラブルの原因になるのです」

 中でも危険なのが突然死につながる致死性不整脈だ。カリウムは細胞の内外を出入りすることで心筋細胞の興奮による心臓拍動を調整している。低カリウム血症は細胞外のカリウム濃度が低いので、カリウムが細胞内に入ることができなくなってしまうのだ。

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