突然死の危険も 「低カリウム血症」を甘く見てはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「低カリウム血症では、心筋細胞の興奮が収まるまでの時間が長くなります。すると、心電図波形のQ波とT波の間の時間が延びる『QT延長症候群』という病態を引き起こします。QT延長が起こり、その上に次の興奮がくると心臓は休む暇なく働くことになるため、心室細動につながってしまうのです。最新の欧州心臓病学会の論文によると、心不全があると、カリウム値が4・2から4・4の間が理想的で、多くても少なくても死亡率が上がり、2・5以下では3倍以上になるとのことでした」

■“食べられない”独り暮らしの高齢者は要注意

 命に関わる病気を回避するためにも、低カリウム血症を見逃してはいけない。原因は、①体外に排出されるカリウムの量が多い②カリウムの摂取量が少ない③血液中のカリウムが細胞内へ取り込まれてしまうという3つのケースが挙げられる。

①は下痢や嘔吐が続いてカリウムが失われたり、心不全などで利尿薬を服用している場合や、クッシング症候群やアルドステロン症といった副腎皮質の病気、腎臓病によるアシドーシスがある人が該当する。

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