世界が注目 完治困難な「好酸球性副鼻腔炎」の新たな治療概念

“新しい概念”で手術も回避できる可能性も(C)日刊ゲンダイ

「喘息は、主に気道上皮細胞から作りだされるサイトカインによって“Th2型炎症”が起こり、骨髄での好酸球の生成が活発化し、それが気道粘膜に浸潤します。この好酸球は血流に乗って副鼻腔の粘膜にも運ばれ、好酸球性副鼻腔炎が起こります」

 そのため、喘息を合併する慢性副鼻腔炎の患者の重症度を、CTを用いて分類すると、「慢性副鼻腔炎の重症度」「血中の好酸球数」「喘息による痰の中の好酸球数」はすべて相関関係にあるという。

「つまり慢性副鼻腔炎、特に好酸球性副鼻腔炎をコントロールするには喘息のコントロールが欠かせないのです」

 野中医師らは、呼吸器内科の医師による喘息の評価のもと、それが不十分であれば喘息の治療を強化し、好酸球性副鼻腔炎の治療成績を上げている。ただ、これが今、どこでも行われているわけではない。

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