正しい運動で健康寿命を延ばす

【肩凝り対策】トレーニング前後は“伸ばす”と“刺激”で

写真(1)三角筋と僧帽筋中部の静的ストレッチ
写真(1)三角筋と僧帽筋中部の静的ストレッチ(提供写真)

 前回のトレーニングで鍛えた三角筋と僧帽筋の筋肉をほぐす静的ストレッチと、肩甲骨周辺の動的ストレッチを紹介する。

「30秒以上静止した状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチに対して、動的ストレッチはある動きを一定回数繰り返し、関節や筋肉に刺激を与える運動です。血行がよくなるだけではなく滑液の分泌も促されて関節の動きが滑らかになりますので、運動前のウオームアップとして最適です」

◆三角筋と僧帽筋中部の静的ストレッチ

①正座をして、背筋を伸ばしたまま上体を前に倒し、腕を伸ばして両手を床につく。②片方の腕を肩から曲げてもう片方の腕と膝の間を通す。曲げた方の腕の肩を床につけ、背中や肩周辺の筋肉をグッと伸ばした状態で30秒キープ(写真(1))。このとき、曲げた方の手のひらを上に向けるのがポイント。左右行う。

写真(2)僧帽筋中部の静的ストレッチ
写真(2)僧帽筋中部の静的ストレッチ(提供写真)

◆僧帽筋中部の静的ストレッチ

①あぐらをかいて座り、体の前で両手の指を軽く組む。②息を吐きながら背中を丸め、肩甲骨を開くイメージで指を組んだまま腕を前方に押し出し、顔はヘソをのぞき込むように下げていく(写真(2))。背中と肩回りの筋肉が痛キモチよく伸びたところで30秒キープ。

◆ショルダーローテーション ウイズ アームス(肩甲骨周辺の動的ストレッチ)

①スタートポジションは、脚を肩幅に開いて立ち、左右の指先をそれぞれ同じ側の肩に置いた状態。②指先を肩につけたまま肘を前方に大きく持ち上げ、肘が真上まできたら肩甲骨を寄せるように肘を開きながら下ろして①に戻す。肘で円を描くイメージでリズミカルに回す。前回しと後ろ回しを合わせて各20回程度が基本。

◆バックネックベント ウイズ アームス(頚椎と肩甲骨周辺の動的ストレッチ)

①スタートポジションは、脚を肩幅に開いて立って両手を耳の辺りに添え、肘を閉じて下を向いた姿勢。②肘を外側に開き、肩甲骨を寄せながら顎を上げ、①に戻って1回。肩甲骨と頚椎をリズミカルに20回程度動かすのが基本。

中野 ジェームズ修一

中野 ジェームズ修一

1971年、長野県生まれ。多くのアスリートから支持を受けているPTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。株式会社スポーツモチベーション最高技術責任者。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝連覇を支えるなど、アスリートから絶大な信頼を寄せられている。「100トレ 医師とトレーナーが考えた100年時代の新健康体操」(徳間書店)が発売中。

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