役に立つオモシロ医学論文

妊娠中のアルコール摂取はたとえ少量でもダメなの?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一般的に妊娠中の飲酒は避けるべきと考えられています。妊娠中の習慣的な飲酒は、胎児性アルコール症候群に代表されるような、生まれてくる子供の精神的・身体的発達遅延の他、早産などのリスクが増加するといわれています。

 とはいえ、ごく少量のアルコール摂取でも胎児に影響が出るものなのでしょうか。そんな疑問に対する研究論文が、英国医師会の「オープンアクセスジャーナル」に2017年8月3日付で掲載されました。

 この研究は、16年7月までに報告された、妊娠中の少量アルコール摂取と、生まれてくる子供への影響を検討した26件の研究を統合解析したものです。少量のアルコール摂取とは、週に32グラム以下のアルコール摂取と定義されており、これはビール中ビン(500ミリリットル)であれば約1本半に相当します。

 解析の結果、妊娠中にアルコール摂取をしなかった母親から生まれた子供と比べて、妊娠中に少量のアルコール摂取をした母親から生まれた子供では、胎児の発育遅延リスクが8%、統計学的にも有意に増加しました。また、早産のリスクについても10%の増加傾向が認められましたが、こちらは統計学的に有意な差を認めませんでした。

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青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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