役に立つオモシロ医学論文

妊娠中のアルコール摂取はたとえ少量でもダメなの?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 なお、それ以外の胎児への影響を検討した研究は、過去にはほとんど報告されていませんでした。

 妊娠中の少量アルコール摂取については、専門家によっても見解が分かれるところかもしれません。しかし、この研究では、「たとえ少量であっても妊娠中のアルコール摂取が胎児の発育遅延リスクを増加させるかもしれない」ということ、またそれ以外の胎児への影響については、現時点で研究データが極めて少ないことが示されています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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