薬の服用数は減らせるが…「合剤」が向く人と向かない人

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 近年、「合剤」(配合剤)と呼ばれる薬が続々と登場している。何種類かの薬の成分をひとつの薬に配合したもので、服用する薬の数を減らせるというメリットがうたわれている。だが、中には合剤が向いてないケースもあるから気を付けたい。

 合剤にはたくさんの種類がある。高血圧の薬(降圧薬)をはじめ、コレステロール降下薬、糖尿病治療薬、鎮痛薬、血液をサラサラにする抗血小板薬、緑内障治療に使われる点眼薬など多岐にわたる。たとえば、効果を高めるために違う種類の薬を組み合わせて処方することが多い降圧薬は、Ca拮抗薬+ARB阻害薬、ARB阻害薬+利尿薬、Ca拮抗薬+ARB阻害薬+利尿薬など、作用機序の異なる薬をひとつにまとめた合剤が数多くある。

 飲まなければならない薬が山ほどあってうんざりしている患者にとっては、合剤にすることで服用する薬の数が減れば混乱しないで済むかもしれない。これは大きなメリットだ。しかし、いくつもの薬をひとつにまとめるとなると、不安に思う人もいるだろう。

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