薬の服用数は減らせるが…「合剤」が向く人と向かない人

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「たとえば、体重が30キロ台の高齢者などは、状態を見ながら処方する薬を調整していきます。ただ、その場合は薬の量よりも種類を変えるケースが多いので、それほど深刻に考える必要はないでしょう。問題は、病気が急性期で症状が目まぐるしく変わる患者さんです。病状によって薬の量や種類を変えて対応していくので、合剤は向いていません。合剤の多くが慢性疾患の薬なのはそのためです」

■胃の不調で正しい薬効が表れないケースも

 また、いくつも病気を抱えている人は合剤がNGなケースがある。

 たとえば、慢性疼痛の投薬治療では、鎮痛薬の合剤がガイドラインで推奨されている。しかし、鎮痛薬の合剤には、肝機能が悪い人が飲むと状態を悪化させる成分が含まれている。もともと肝機能障害がある人はもちろん、合剤を服用中に肝機能が落ちてきた場合は、単剤に切り替えなければならないという。

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