正しい運動で健康寿命を延ばす

【膝痛対策】膝関節と骨盤を支える筋肉を強化する

写真①
写真①写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から

 膝関節を支える筋力を強化すれば膝痛は予防できる。だが、軟骨や靱帯を損傷している場合もあるので、病院で画像診断などを受けてから筋トレに臨むようにすること。「最初に鍛えるべきは、大腿四頭筋周辺の膝関節を支える筋肉です。また、骨盤の横ブレが膝に負担をかけるので、骨盤を支える中臀筋強化も膝痛予防になります」

◆膝下クッションつぶし(大腿四頭筋強化1)

①スタートポジションは、床に座り、片方の脚を真っすぐ伸ばして膝の下にクッションや丸めたバスタオルを置く。もう片方の脚は膝を楽な角度に曲げて立てる。このとき両手は後ろにつき、上体を後ろに傾ける。②2秒かけてクッションをつぶすように膝を真下に押し下げ、膝を完全に伸ばしたら①に戻して1回(写真(1))。左右20回で1セットとして1日2セットが基本で、所要時間は2分40秒。これで物足りない人は次の運動へ。

◆レッグエクステンション(大腿四頭筋強化2)

①スタートポジションは、椅子に深く座り、両手で椅子の座面の奥(お尻の横あたり)を持ち、脚は腰幅に開いた状態。②4秒かけて片方の脚を膝が真っすぐになるところまで持ち上げたら、4秒かけて①に戻して1回。左右20回を1セットとして1日2セットが基本。所要時間は5分20秒。

写真②
写真②写真は「定年後が180度変わる 大人の運動」から

◆アダクション(内転筋群強化)

 内転筋群は股関節にある筋肉だ。

①スタートポジションは、横向きで寝て、上側にある膝を手前に90度ほど曲げた状態。もう片方の脚は伸ばしておく。このとき下側の腕は頭を乗せるようにして上へ伸ばし、上側の手は胸の前の床についてバランスを取る。②伸ばしている下の脚を4秒かけて上げ、4秒かけて①に戻して1回(写真(2))。基本回数は左右20回を1セットとして、1日2セットが基本。所要時間は5分20秒。

◆アブダクション(中臀筋強化)

 中臀筋はお尻の上部にある筋肉。

①アダクションの応用で、上側の脚を伸ばし、下側の脚を手前に90度ほど曲げた状態からスタート。上側の脚を伸ばしたまま4秒で上げ、4秒で戻して1回。基本回数も同様。

中野 ジェームズ修一

中野 ジェームズ修一

1971年、長野県生まれ。多くのアスリートから支持を受けているPTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。株式会社スポーツモチベーション最高技術責任者。米国スポーツ医学会認定運動生理学士。多くのオリンピック選手や青山学院大学駅伝チームの箱根駅伝連覇を支えるなど、アスリートから絶大な信頼を寄せられている。「100トレ 医師とトレーナーが考えた100年時代の新健康体操」(徳間書店)が発売中。

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