数字が語る医療の真実

その後の「かっけ」減少までの長い道のり

 陸軍では1928年にようやく胚芽米を導入し、かっけが減っていきます。しかし日本全体でかっけがなくなるのは1960年以降のことでした。

 その背景には森林太郎や青山胤通など東大グループの権威に基づくだけで、「理論を重視して事実を見ない」という科学的と言えない態度があります。そして、かっけ撲滅に大きな役割を果たした高木兼寛は、日本人にさえいまだほとんど知られていません。私が思うに、野口英世がお札になるなら、まずその前に高木兼寛ではないかと思います。

 いまだ医療界は権威中心の暗黒時代が続いているのかもしれません。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)、「逆説の長寿力21ヵ条 ―幸せな最期の迎え方」(さくら舎)ほか。

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