この研究において、01年から12年までの間に、認知症を発症したのは24万3611人でした。解析の結果、居住地から幹線道路までの距離が300メートル以上と比較して、50メートル未満では7%、50~100メートルでは4%、101~200メートルでは2%と、わずかではありますが統計学的にも有意に認知症発症リスクが増加しました。特に大都市部に在住している人や、同じ場所に住み続けている人でリスクが高いという結果になっています。
認知症発症リスクの増加が、交通騒音や車の排ガスなどの大気汚染によるものなのかについては、この研究から結論できません。とはいえ、居住地が幹線道路に近いほど認知症のリスクが上昇しており、こうした居住環境が健康に対して何らかの影響を与えている可能性は高いといえるかもしれません。
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