■1日11回以上の手洗いが効く
そもそも、ワクチンの効果は打った人の罹患リスクを下げるだけでない。83%のインフルエンザワクチン接種率を達成した集団では、接種していない人もインフルエンザにかかりにくいといわれている。
「そのことが、会社や学校の集団感染を防ぎ、接種対象となっていない生後6カ月未満の乳児や、アレルギーによりワクチン接種ができない人を守ることにつながっています。インフルエンザは乳幼児や高齢者の肺炎を併発させ、糖尿病や心臓病などの基礎疾患を悪化したりしますから、この効果は軽くは考えられません」
逆に言えば、今回のワクチン不足はこうした集団や弱者を危険にさらすことにつながりかねない。
むろん、予想と違うウイルスが流行したり、予想が当たってもウイルス変異により、思うような効果が出ない事態も考えられる。しかし、当初予想と違うワクチンを作り、それが品不足というのは心配ではないか。