末期がんからの生還者たち

上咽頭がん<4>「今は命の尊さをかみしめています」

高橋節男さん(C)日刊ゲンダイ

「東京医科歯科大学医学部付属病院・耳鼻咽喉科」(御茶ノ水)の確定診断で、「上咽頭がん・ステージ4」の告知を受けた高橋節男さん(76=墨田区在住)は、今年の4月で待ち望んでいた「5年生存」を越えた。

「これで俺も生き延びたかなと思いました。まだ孫たちと遊べるかなと」

 と笑顔を向ける。

 2カ月間入院し放射線治療と抗がん剤治療を併用した集中治療を受けた高橋さん。退院後には、長い治療生活が待ち受けていた。

 その間、1カ月目、2カ月目、半年、1年の間隔で、MRIなどの診察が行われた。その結果、がんは順調に縮小していた。3年目に担当医師から、「もう、がんの治療は終了します」と、告げられた。

 それでも、がんの転移などを心配し、治癒の目安となる「5年生存」を迎えるまで1年に1回の通院は継続した。

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