末期がんからの生還者たち

上咽頭がん<4>「今は命の尊さをかみしめています」

高橋節男さん(C)日刊ゲンダイ

 さらに脳大動脈の2本に、血栓が詰まっていたことが明らかになった。

 ただし医師からは「手術は、上咽頭がんが完治し、『5年生存』の期日を迎えた後にしましょう」と言われていた。

 晴れて今年の夏に1本目の手術が行われた。足の付け根から局部までカテーテルを挿入し、血栓をからめとる手術(血栓回収療法)が行われた。

 術後、1週間入院し、2カ月の間をおいた今年
の9月に2本目の手術が実施された。手術法は同じで、やはり1週間ほど入院した。高橋さんは今、しみじみとこう語る。

「病院嫌いで無鉄砲な人生でしたが晩年に、上咽頭がんという大病にかかり、幸い治療で救われた。さらに鼻炎も治り、脳梗塞の直前で血栓まで見つかり治療を受けた。この年になって、あらためて命の尊さをかみしめていますよ」

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