がんと向き合い生きていく

骨肉腫の多くは手術と化学療法で治癒するようになった

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 高校生のM君(17歳・男性)は、サッカーが好きな少年でした。試合中に左下腿に痛みを感じ、最初は打撲だろうと思っていました。それが2週間経っても良くならず、骨にヒビが入っているのではないかと思って自宅近くの整形外科を受診したところ、Aがん拠点病院を紹介されました。

 X線などの検査の結果、「骨肉腫」の診断でした。病名は両親だけに伝えられ、M君は「手術で良くなる」と告げられたようでした。しかし、その時にはすでに両肺に小さな転移があったのです。

 M君は手術が必要だと伝えられていましたが、左大腿から切断されるとは知らされていませんでした。病名が本人に隠されたのは、両親の希望でもあり、また当時としては仕方がないことでしょう。しかし、麻酔から覚めて下肢がなくなっていることを本人が知った時は、どんな気持ちであっただろうか、どんなにつらかったであろうかと思います。

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佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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