がんと向き合い生きていく

骨肉腫の多くは手術と化学療法で治癒するようになった

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

■患肢を温存する工夫も進歩している

 また、骨肉腫は肺に転移することが多く、中にはM君のように病院に行った時、すでに転移している患者もいます。

 MTX大量療法が開発される前は、手術した後で約80%は肺転移が起こって亡くなっていましたが、この治療法が使われるようになって、肺転移は抑えられる患者が多くなりました。そして、手術と化学療法によって骨肉腫の患者の多くが治癒するようになったのです。

 他にも、シスプラチン、イホスファミド、ドキソルビシンなどの抗がん剤が使われています。

 若い患者は腎機能が良好な場合がほとんどで、MTX大量療法や、他の抗がん剤も相当量使えます。しかし、中高齢者では腎機能が低下していることから副作用のリスクが高くなります。そのため、若年者と同等の量を投与するのは困難なことが多く、若い患者ほどの治療成績は得られていないのが現状です。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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