■患肢を温存する工夫も進歩している
また、骨肉腫は肺に転移することが多く、中にはM君のように病院に行った時、すでに転移している患者もいます。
MTX大量療法が開発される前は、手術した後で約80%は肺転移が起こって亡くなっていましたが、この治療法が使われるようになって、肺転移は抑えられる患者が多くなりました。そして、手術と化学療法によって骨肉腫の患者の多くが治癒するようになったのです。
他にも、シスプラチン、イホスファミド、ドキソルビシンなどの抗がん剤が使われています。
若い患者は腎機能が良好な場合がほとんどで、MTX大量療法や、他の抗がん剤も相当量使えます。しかし、中高齢者では腎機能が低下していることから副作用のリスクが高くなります。そのため、若年者と同等の量を投与するのは困難なことが多く、若い患者ほどの治療成績は得られていないのが現状です。
がんと向き合い生きていく